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岸田内閣の不信任案否決

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【大前研一ニュースの視点】 2023年6月23日配信

岸田内閣の不信任案否決 問題山積の中で見苦しい茶番劇

衆議院本会議で16日、立憲民主党が提出した岸田内閣に対する不信任決議案の採決が行われ、
反対多数で否決されました。野党による不信任案の提出は、岸田首相が衆院解散に踏み切る大
義になるとの見方もありましたが、この前日、岸田氏は「今の国会での衆院解散は考えていな
い」と述べるとともに、「先送りできない課題に答えを出していくのが岸田政権の使命」とし
て、賃上げや子育て戦略に取り組む考えを示していました。

登場人物がみんなみっともない状況です。岸田首相が解散を考えていたようでしたが、マイナ
ンバーカードの混乱と息子の不祥事により、適切なタイミングを逸しました。解散しない方針
を明らかにしたら、とたんに不信任案を提出する立憲民主党も情けないと思います。

立憲民主党のこの行動は、選挙では勝てないと弱気になっている証拠です。岸田首相はアイデ
アとスローガンばかりで何も実現できていませんが、立憲民主党はそれさえ出さない状況です。
泉代表の指導下では、何も期待できないと言わざるを得ません。このような事態では、いつ解
散が行われても自民党が一人勝ちしてしまうでしょう。

一方、日本が直面している問題は深刻です。国民総生産(GDP)ではインドとドイツとの差が縮
小し、新たなユニコーン企業の誕生も見られません。人工知能(AI)の時代においても、我々
は依然として工業化立国時代の教育を行っているかのように見えます。教育体制は明治時代か
ら大きく変わっていないと言っても過言ではありません。

それにも関わらず、政治家たちはスローガンばかりで、抜本的な改革を実施する様子はありま
せん。情けないことですが、今の政治家に改革を行う能力も気概もないのだと私は考えます。

解散総選挙に踏み切るとしたら、先進国首脳会議(G7)の後に支持率が上がったタイミングだ
ったはずです。岸田首相はもったいないことをしました。



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